東京・碑文谷にある日大水泳部の寮に、最近新たに1枚の集合写真が飾られた。改装されたばかりの美しい日大のプールを背に、あふれんばかりの笑顔をカメラに向ける屈強な男たち。その前列中央で、白と黒のチェックシャツにジーンズ、白いスニーカーを履いた女性がにこやかに笑っている。目下、白血病からの復帰に向け、闘病を続けている池江璃花子選手(18才)である。
関係者によれば、この集合写真は今年のゴールデンウイーク中に撮影されたものだという。
2020年の東京五輪で金メダル最有力候補といわれた池江選手が、白血病を告白したのは2月12日のこと。すぐに闘病生活に入ると、彼女のSNSの更新が3月中旬から途絶え、多くのファンが心配の声をあげていた。
5月8日、公式ホームページを開設し、約2か月ぶりにメッセージを発信した。ちょうどこの頃だったという。冒頭の写真を撮るため、彼女は初めて学校を訪れたのである。
池江選手は4月に日大に入学し、水泳部に入部したが、闘病中だったため実際に通学はしていなかった。日大水泳部関係者が明かす。
「毎年、6月末か7月はじめに、日大と中央大学の対抗戦が行われるんです。例年、ゴールデンウイーク中に大会パンフレット用の写真を撮るのですが、その時に池江さんがプールにやってきたんです。
その瞬間、選手の間から大きな歓声が沸き上がりました。ほかの選手は日焼けしているので、池江さんはとりわけ肌の色が白く見えました。滞在時間は30分ほどでしたが、池江さんは笑顔でチームメートたちと話をしていたようです」
日大と中大との“日中戦”は伝統の一戦で、今年で64回目を数える。両校にとって、プライドを懸けた負けられない戦いだ。
「池江さんはまだほかの選手たちと一緒に練習したことは一度もありませんが、“自分も日大水泳部の一員”という気持ちが強い。この日も、“泳げないぶん応援したい”という一心で来てくれたのではないでしょうか。もちろんこの写真はオフショットなので、パンフレットに使われることはありません。寮内に飾っているだけです」(前出・日大水泳部関係者)
◆この時期の退院はすべてが順調な証拠
池江選手はこの撮影後の5月16日に、インスタグラムでこんな投稿をしている。
《数ヶ月ぶりのストーリー 皆さんたくさんの贈り物、メッセージなどありがとうございます そのうちの1つではありますが、とっても可愛い絵をいただきました。すごく美化されてる気もするけど、似てるなぁと思いました(笑)》
この言葉からもポジティブな様子がうかがえる。
無菌室での抗がん剤投与など、強力な化学療法を用いた白血病の治療をしているといわれる池江選手は今、どういった状況にあるのだろうか。ナビタスクリニックの血液専門医・久住英二さんはこう話す。
「池江選手は白血病の種類を公表していませんが、状況から『急性リンパ性白血病』だと推定できます。その場合、まずは5~6種類の抗がん剤を五月雨式に注射する『寛解導入療法』が行われたはず。この治療を1か月ほどかけて白血病が見つからなくなる“寛解”の状態に持っていき、その後、抗がん剤を使いながら検査を繰り返す『地固め療法』が行われる。
この『地固め療法』は、退院と入院を繰り返しながら抗がん剤治療を行います。3週間程度入院し、1週間ほど退院してリフレッシュを図るというサイクルです。治療が順調ならば、現在の池江選手はこの段階にあると思われます」
冒頭の撮影は、抗がん剤治療の合間の“1週間の退院期間”に行われたようだ。
「この時期に一時退院できるのは、これまでの治療がすべて順調にきている証拠でしょう」(前出・久住さん)
驚異的な回復の陰には、彼女自身の生命力はもとより、周囲の強力なサポートがあった。とりわけ母親の美由紀さんは、毎日のように病院に通って娘の闘病を支えてきたという。
「いつも大きなキャリーケースを引いて、朝早く家を出ていきます。帰ってくるのはいつも夜10時過ぎなので、相当お疲れのことでしょう」(母親の知人)
家族だけではない。冒頭の集合写真では、池江選手の右手前、胸に「TOKYO」とプリントされたTシャツを着た男性が座っている。
※女性セブン2019年6月13日号
※続きは下記のソースでご覧ください
2019.05.29 16:00 女性セブン
https://www.news-postseven.com/archives/20190529_1381240.html