弱い精子は卵子にたどり着く前にブロックされることがよくわかる実験映像
一度の射精でおよそ1億匹の精子が放出されるといわれていますが、そのうち卵子にたどり着き受精を果たせるのはたった1匹。
およそ1億分の1という激しすぎる競争を勝ち抜けるような強い精子を選別するために、女性の生殖器は精子たちをさまざまな
ふるいにかけます。その一例に「体液の流れと生殖器の構造」があるとして、コーネル大学の研究者らが生殖器官内での
精子の動きをシミュレーションし、実験を行った結果を発表しています。
Strictures of a microchannel impose fierce competition to select for highly motile sperm | Science Advances
http://advances.sciencemag.org/content/5/2/eaav2111
実際にデバイス内を必死に進もうとするも押し流される精子の姿は以下のムービーから見ることが可能です。
食品化学者のAlireza Abbaspourrad氏率いる研究チームは、生殖器官内での精子の動きを高い精度でシミュレートできるような 装置をマイクロ流体デバイスで開発しました。マイクロ流体力学は、100ナノメートルから数百マイクロメートルの単位の世界で
化学的・物理的に液体の挙動について研究する学問です。技術の発展と共に精度の高い実験装置を作ることができるようになり、 髪の毛よりも細い管をガラスやシリコンに通した「マイクロ流体デバイス」も開発されたことで、近年勢いを見せる分野の1つです。
研究チームはあらかじめマイクロ流体力学に基づいて、精子の動きを予測する数式モデルを作成していました。
そして、およそ40マイクロメートル(約0.04mm)の狭窄(きょうさく)部を設けたマイクロ流体デバイス内に体液に粘度が近い液体を流し、 その中でウシとヒトの精子がどのようにふるまうのかを観察しました。流れにさからって泳ぐ実際の精子の動きはほぼ予想通りで、
押し流される距離はシミュレーションよりもやや短かったとのこと。以下の画像のDは精子が流される距離(縦軸)と精子の速度(横軸)を
グラフにしたもので、シミュレーション(青)と実験値(緑・赤・黒)が比較されています。
以下の画像は、左から右にかけて液体が流れているデバイス内で、1~7までの数字を振られた精子が左から右への流れに逆らって
狭窄部を通過しようとする様子。
1番の精子は左の部屋に移動できていますが、2番や4番、5番は右へ押し流されてしまっています。
体液の流れや極端に狭い空間を作るうねりやひだは強い精子を選別するための関門となっていて、その関門をくぐり抜けられるような
強い精子でなければ卵子に到達することはできないというわけです。
https://gigazine.net/news/20190214-sperm-model-reproductive-tract/
ワロタw
1億のお前らだからな?
どれが1着とろうともお前だから