女性と交際した経験がなく、性風俗にも行ったことのない30歳を超えた真正童貞男性を“中年童貞”、女性と交際した経験はないが、性風俗店でプロの女性相手に経験がある男性を“素人童貞”とした。
“中年童貞”というレッテルを貼って論じることに様々な批判があることを承知の上で、彼らがいったいどのような存在であり、背景になにがあるのかを検証していきたい。
■第一章 秋葉原は中年童貞天国
歩いているオタクたちは内向的な雰囲気を醸しているメガネ、メタボの男性が多く、性格は温厚で優しく真面目そうに見えた。
交差点の向こうに、「女の子と恋をしようよ、恋の妖精の名にかけて」と二次元美少女たちが笑う巨大看板がある。
8階建ての店舗に入ると、膨大な有名無名アイドルのCDとDVD、少女のフィギュアとアニメDVD、美少女PCゲーム、18禁PCゲームが販売されていた。
最上階では毎日アイドルの卵たちがイベントを開催している。
路上をうろつく大量のオタクたちは、少女のイメージが山のように積み上げられている入口に続々と吸い込まれていった。
まるで美少女がオタクたちを捕食しているかのようだった。
■女性の裸を見て嘔吐する
歩いているオタクの多くは、童貞なのか。
高橋氏(仮名・42歳)は、中央通りを一つ曲がった路地でメイド喫茶を経営する人物だった。
「なんの取材ですか」と、高橋氏。
「二次元(アニメ・フィギュア)コンテンツとオタクと中年童貞です」と、正直に答えると苦笑いしている。
そのネタならば「(経営する)店から遠い方がいい」と言うので、ITタウンにある喫茶店に入る。
「この街は童貞だらけですよ。中年童貞って何歳からですか?
30歳以上の童貞となるとたぶん渋谷とか新宿の100倍はいる。
ここはアイドル以外のリアルがない電脳の異界ですから」
周囲にオタク系の人物がいないことを再確認すると、猛烈な勢いで喋りだした。
一方的に喋るのはオタクの人たち独特の傾向で、この高橋氏もオタク的な人物である。
「二次元しか愛せないっていうオタクがいるけど、そのほとんどは方便ですよ。
実際は現実の女の子に相手にされないから、二次元が好きというのが一般的です。
最近はネットで叩かれるからみんな言わなくなったけどね。
二次元しか好きになれないって言い訳、自己暗示。
オタクの人に見られる傾向だけど、自己正当化するわけですね。
非モテって言葉も同じように使われている。
俺たちはモテないのではなく、モテたくないと。
もちろん例外もあって現実の女の子からモテるルックスだけど、二次元しか興味がないって人もいる。
それは若い世代に多いですね。
アニメの専門学校の学生から聞いたけど、学校でデッサンの授業がある。
モデルの女の子が学校に来て裸でポーズをとって、それをデッサンする。
そうすると嘔吐とか体調を崩す学生が続出するらしい。
理由を聞くと、リアルな女は毛穴があって気持ちが悪いみたいなことを言ったりする」
これは相当あるなwwww