LGBTなど性的少数者への支援策を検討する茨城県主催の会合で県医師会の満川(みつかわ)元一副会長が「性的マイノリティー(少数派)の人に、マジョリティー(多数派)に戻ってもらう治療はないのか」と発言した問題で、副会長は九日、発言を撤回した上で謝罪した。
この日、会合の二回目が県庁で開かれ、満川副会長は冒頭、「『戻って』『治療』という言葉は私の勉強不足。決して差別に基づいた言葉ではないが、謝罪し撤回させていただきたい」と頭を下げた。
これに対し、当事者として会合に参加したNPO法人東京レインボープライド共同代表理事の杉山文野さんは「悪気がないのは承知している。知らないことは勉強して共有していきましょう」と語った。
会合は性的少数者のカップルを公認する「パートナーシップ制度」を含め県ができる支援策の検討が目的で、当事者や医師、弁護士など委員十人で六月まで計四回開く予定。発言は四月二十五日の初回であった。
世界保健機関(WHO)は一九九〇年に「国際疾病分類」から同性愛の項目を削除。「治療対象にはならない」とし、厚生労働省もこの見解を採用している。 (鈴木学)
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