人権団体コリア・フューチャー・イニシアティヴ(本部ロンドン)が、中国で働かされた女性たちや、北朝鮮から韓国に亡命した女性たちから証言を集めた。
その結果、北朝鮮の女性たちが人身売買や誘拐によって中国に運び込まれ、売春や中国人男性との強制結婚をさせられている実態が明らかになったという。
調査した女性たちの多くは12~29歳で、中国北東部の外国人労働者が多い地域にある売春宿で働かされていた。何回かにわたって人身売買が繰り返され、北朝鮮を出てから1年以内に数種類の性奴隷的な仕事に就かされていたとされる。
◆犯罪グループが大金を稼ぐ
「被害女性たちは最低30元(約480円)で売春させられ、1000元(約1万6000円)で妻として売られている。そしてセ◯クスカム(インターネットで性行為などをリアルタイムで配信すること)の隠れ家に閉じ込められ、オンラインで世界中の観客の目にさらされている」と、報告書の筆者ユン・へスン氏は言う。
セ◯クスカムをさせられていた女性たちの中には9歳の少女もいたという。女性たちはウェブカメラの前で性行為をしたり、性暴力を受けたりしていた。そうした動画を見ている人の多くは韓国人とみられるという。
人身売買や性搾取により、犯罪グループは年110億円ほどを得ているとされる。
中国当局に保護を求めた場合、女性たちは北朝鮮に送還される。送還後、北朝鮮では拷問を受けるとされ、そのため身動きの取れない状況に置かれている女性が多いという。
報告書には、北朝鮮・清津出身の女性の話として、以下の内容が記されている。
「ホテルで6人の北朝鮮人女性と一緒に(売春宿に)売られた。食べ物をあまりもらえず、ひどい扱いを受けた。8カ月後、私たちの半分が再び売られた。私はブローカーにひどいことをされた」
「(新しい売春宿に)到着した時、私の体にあざがあった。(ブローカーは)ギャングのメンバーたちに殴られ、刃物で足を刺された」
◆企業も利用か
別の女性の証言も出ている。
「(中国・大連には)たくさんの韓国人がいた。彼らの(ホテルの)部屋の前に行き、ドアの下に広告カードを入れた。カードは韓国語で書かれていて、私たちがどんなことをするかが書いてあった。ほとんどの場合、(売春の仲介者に)バーに連れて行かれた」
「韓国企業は社員たちのために(北朝鮮人の売春婦を)買いたいと思っている。売春をして初めて、韓国の人と会った」
https://www.bbc.com/japanese/48346071