http://www3.nhk.or.jp/lnews/shutoken/20190506/1000029328.html
学校で心停止になった子どもにAEDが使われたかどうかを調べたところ、
小学生と中学生では男女差がなかったのに対して、高校生では女子生徒に使われる割合が
3割ほど低くなることが、京都大学などの研究グループの調査でわかりました。
京都大学などの研究グループは、平成20年から27年にかけて全国の学校の構内で心停止になった子ども 232人について、救急隊が到着する前にAEDのパッドが装着されたかどうかを調べました。
その結果、小学生と中学生では、男女の間で有意な差はありませんでしたが、
高校生では、男子生徒の83.2%にパッドが装着されたのに対して、女子生徒は55.6%と
30ポイント近く低くなっていました。
AEDは、心臓の動きを正常に戻す医療機器で、鎖骨の下などの素肌に直接パッドを貼る必要があり、 研究チームでは女子高校生の場合、近くにいた人たちが素肌を出すことに
一定の抵抗があったのではないかと分析しています。
心停止の状態で何もしないと、救命率は1分たつごとにおよそ10%ずつ下がるため、
救急隊の到着する前にできるだけ早く胸骨圧迫=心臓マッサージをして、AEDを使うことが大切です。
研究グループのメンバーで京都大学健康科学センターの石見拓教授は
「パッドは服を完全に脱がせなくても貼ることができ、貼ったあとに服などをかぶせてもよい。
命を救うため女性にもAEDを迷わず使ってほしい」
と話しています。