「朝立ち」しないはヤバい? 原因不明の体調不良にホルモン補充療法
午後になると、体がだるい。仕事への集中力が続かない。夜はよく眠れない。
東京都内の60代会社員男性は数年前、そんな症状に悩まされていた。思い当たる原因がなく悩んでいたところ、知人の言葉から、 ホルモンバランスが乱れているのでは、と考えた。
泌尿器科の医院を訪れると、医師が男性ホルモン「テストステロン」の量を測ってくれた。値が低いとわかり、男性ホルモンを月1~2回ほど
注射する補充療法を受けるように。2~3カ月経つと数値が上がり、体のだるさなどの症状も改善。仕事にも打ち込める生活へ戻った。
閉経期の40代後半~50代前半に、女性が更年期障害になることはよく知られている。ただ、男性も同様な症状を訴えるケースがある。
「男性更年期障害」とも呼ばれるが、50歳前後でなる女性に対し、男性は60代以降を中心に幅広い年代に現れるのが特徴だ。
男性と女性に差が出る理由の一つが、加齢に伴うホルモンの減り方の違い。女性ホルモンは50歳前後に急減するのに対し、
男性ホルモンはじわじわと減る。更年期を過ぎた60~80代(熟年期)に、男性ホルモン減少の症状が現れる人も多い。
こうした症状に悩む人を「熟年期障害」と名づけて警鐘を鳴らすのが、男性医学の先駆者で札幌医科大学名誉教授の熊本悦明医師。
男性ホルモンを車のエンジンオイルにたとえ、不足すると車が動かないように体も活力が生まれない、と説く。
近年話題の高齢者の心身の衰え「フレイル(虚弱)」についても、ホルモンに関連があるとの見方を示す。自著『熟年期障害』(祥伝社新書)で、こう説明する。
<更年期後の熟年期に大きな医学的問題があるのです。多くの人が経験している更年期や熟年期の体調不良・フレイルは、
男性ホルモン低下による男性力の衰退が大きな原因だからです>
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181116-00000049-sasahi-life