「先輩たちに悪意があったとは思っていませんが、とても嫌な気持ちになりました」と当時を振り返る。Aさんの体験から見えてくるハラスメントの構造とは?
●「童貞は、何が楽しくて生きてるの?」と1年間、言われ続ける
関東の高校を卒業したAさんは、有名大学の理学部に進学した。周囲は9割が男子学生。Aさんは女性に特に関心を持たないまま、好きな研究に打ち込む生活を送っていた。
「当時の趣味はゲームやアニメ。研究も忙しかったし、女性にはまったく興味がありませんでした」と振り返る。
大学卒業後は広告代理店に就職した。周囲に彼女がいないと知れると、「好きな女性のタイプは? 芸能人でたとえると誰?」「どうして彼女を作らないの?」と何度も聞かれ、少し煩わしさを感じた。
そうした会話の中で「女性と交際経験がない」ことが知れると、童貞であることに驚かれた。
「どうしてこの人たちは恋愛にこんなに興味があるのだろう? どうして恋愛が共通の話題になると思い込んでいるのだろう?」。Aさんは不思議だったという。
たまに「童貞」が話題になることもあったが、ほとんどの同僚が「面白い学生生活だったんだね」「研究がそんなに楽しかったんだ」とむしろ感心されたため、特に気にすることはなく過ごしていた。
しかし、ある仕事でチームを組むことになった先輩社員の男性Bさんが、Aさんが童貞だと知ると、頻繁に「いじり」をしてくるようになった。
「童貞は、何が楽しくて生きてるの?」「童貞なんて、人生の9割は損してるよね」「セ◯クスは人間の本能なんだから、セ◯クスしないとかおかしくない?」「早く3次元の女の子とセ◯クスしろよ」
こうした言葉を、Aさんは複数の同僚がいる前で、Bさんから度々投げつけられた。名前ではなく、「童貞」と呼ばれることもあった。
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事実じゃん