2012年にデビューしたAV女優の紗倉まなさんは、コラムや小説の執筆など幅広く活躍中です。男性の欲望を一身に受け止める立場から、男女の性のギャップについて語ってもらいました。
自分の性欲、スイッチどこに 紗倉まなさんの向き合い方
「サーカスのような気分で…」
――AVのプレーを再現しようとする男性に、女性から違和感を訴える声が届いています。
AVは、セ◯クスの参考にしてはいけないものです。自分が楽しむものと、目の前の相手を喜ばせるものとは違います。
私は、無理な体位を始めとする演出は、サーカスのような気分で演じています。これをプライベートで挑戦する人、ヤバイですよ。多くの男性は「気持ちいいから潮を吹く」と勘違いしているようですが、潮吹きと気持ちよさは、女性にとってはまったくの別物。そう見えるように演出してきたAVにも責任があると思います。
女性の顔に精液をかける演出も、実は裏では腫れたりかぶれたりしないように、洗い流して抗菌目薬を打つなど入念なケアをします。これを実際にやられたら、「えー!」って驚くし、受け入れがたいです。私のことをどう思っているんだろう、私じゃなくて誰でもいいじゃん、と悲しくて冷めてしまうと思います。
AVと実際のセ◯クスは、仕事とプライベートのように切り離して考えてほしい。自分が楽しむものと、目の前の相手を喜ばせるものは別だと心得てほしい。
――男性は一挙手一投足にAVの影響を受けているように思えます。例えば、男優さんが行為の最中に声をあまり出さないのは、視聴者の邪魔にならないための配慮でしょうが、現実のセ◯クスでも男性たちは言葉少なです。
女性みたいに声が出ちゃう男性、私はかわいいなと思うんですけど。撮影現場ではよっぽどドMな役柄でもない限り、男性は声を出さない。「これが普通」と、男性を枠に縛りつけているのだとしたら、かわいそうな気もしますね。有名男優さんの動きをコピーする必要はないのに。
そういえば、女優さんのあえぎ声も甲高いのがスタンダードになっています。私も過去に「トドみたい」と言われて直したことも(笑)。AVを見た女の子に「ああいう声を出さなきゃいけないのかな」と思わせているのだとしたら、あるがままでいいんだよ、と言いたいですね。
http://www.asahi.com/articles/ASKCJ5GY7KCJPTFC00Q.html